トップページでも紹介したが、ルソン島で物流業を営む私はあるきっかけにより、ルソン島北部の激戦地跡へ慰霊の旅をした。それは2018年7月で、それからは思いもよらぬほどに旅は続いた。その旅は仕事の合間を見つけてではあるが、4年間にも及ぶものであった。その間に旅の記録を書き留め続け、2024年11月に「マンゴーの木を探してー貨物屋のフィリピン激戦地慰霊紀行―」と題して上梓した。ここでは、その本についてもう少し紹介したい。
本にある戦地跡の旅は私が実際に訪ねた月日で書いており、それを実際の戦いの順番で述べれば、“バターン死の行進”、レイテ沖海戦、神風特攻隊、レイテ島決戦、そして日本軍の敗戦間近のルソン島北部での持久戦とセブ島での戦いである。それらはどのようなものだったのかを関係文献から調べ、そして自身でその地に出向き感じ取ったことを書いている。とりわけ、“蛮行”と呼ばれる“バターン死の行進”とはどのようなものであったかを、自分なりに検討と考察を試みている。
さらには、旧帝国陸軍の山下大将と本間中将の終焉の地(碑がある)も何度か訪ね、両将軍の最期に想いを馳せながら実際の刑場はどこであったのかを同様に考察している。
そして紀行の最後には、ルソン島・ラグナ州のカンルーバンにあったとされる、日本軍将兵の収容所と墓地跡地を著者なりに突き止めたことも書いている。
脱稿できたのが2024年の6月末で、それには毎日のように書き続けて6年にも及んだ。文筆を業とするものでない、物流業界での仕事が長い、言わば“貨物屋のオヤジ”が書いた本ではあるが、このウエブサイトを読まれた機会に、この本「マンゴーの木を探してー貨物屋のフィリピン激戦地慰霊紀行―」を読んでいただければ望外の喜びである。
マンゴーの木を探して
ー貨物屋のフィリピン激戦地慰霊紀行―